約 2,401,961 件
https://w.atwiki.jp/cosmos_memo/pages/237.html
さよならトリップ Dormir EXTREME Level 9 BPM 133 Notes 654 1 口口口口 |----| 口口口口 |----| 口口口口 |----| 口口口口 |----| 2 ⑤③④⑥ |①-②-| 口③口⑥ |③-④-| ⑦口②口 |⑤-⑥-| 口①口⑧ |⑦-⑧-| 3 口口④④ |①-②-| 口③口口 |③-④-| 口①②口 口①口口 ⑤口口口 口口⑥⑥ ⑦⑦口口 |⑤-⑥-| 口口口⑧ |⑦-⑧-| 4 ⑤③④⑥ |①-②-| 口③口⑥ |③-④-| ⑦口②口 |⑤-⑥-| ①①口⑧ |⑦-⑧-| 5 ⑤口④口 |①-②-| ⑦③④⑥ |③-④-| ⑦①②口 |⑤-⑥-| 口①口⑧ |⑦-⑧-| 6 ⑤③④⑥ |①-②-| ⑤③③⑥ |③-④-| ⑦口②口 |⑤-⑥-| ⑦①①⑧ |⑦-⑧-| 7 口③④④ |①-②-| 口③口口 |③-④-| 口①②口 口①①口 ⑤口口口 ⑤口⑥⑥ ⑦⑦口⑦ |⑤-⑥-| 口口口⑧ |⑦-⑧-| 8 口③④口 |①-②-| 口③③口 |③-④-| 口口②口 ①①①口 ⑤口口⑥ ⑤口口⑥ ⑦口口口 |⑤-⑥-| ⑦口口⑧ |⑦-⑧-| 9 口③④口 |①-②-| 口③④口 |③-④-| 口①②口 口①①口 ⑤⑧口口 ⑤口口⑥ ⑦口口⑦ |⑤-⑥-| ⑦口⑧口 |⑦-⑧-| 10 ④口①口 |①---| ②口口③ |--②-| ③口口② |③---| 口①口④ |--④-| 11 口口④① |①---| 口②③口 |--②-| ④③②口 |③---| ①口口口 |--④-| 12 ③④口口 |①---| ⑤②口① |②-③-| 口口②⑤ |④-⑤-| ⑥①④③ |--⑥-| 13 口口口③ |①-②-| 口口②③ |③---| 口①②口 口①口口 口口口口 口口口口 ④口口口 |----| 口④口口 |--④-| 14 口口口口 |①---| ①口口口 |--②-| 口①口② 口口②口 口口口口 ④口口③ 口④③口 |③---| 口口口口 |--④-| 15 ①口口③ |①---| 口①③② |--②-| ④口②口 |③---| 口口口口 |--④-| 16 口口口口 |①---| 口口口口 |②-③-| 口②③① 口③②口 口口口④ 口口⑤口 口⑤口口 |----| ④口口口 |④-⑤-| 17 ②③⑤口 |①-②-| ④①口口 |③-④-| ⑤口①④ |----| 口口③② |--⑤-| 18 口口口① |①---| ③②④口 |--②-| 口①口口 |③---| ④口③② |--④-| 19 ③②口④ |①---| 口口④① |--②-| 口口③② |③---| 口①口口 |--④-| 20 口口口口 |①---| ①口口口 |②---| 口①口口 ②口口② ③④口③ 口口④口 ③④口③ |③-④-| 口口④口 |----| 21 ④口④口 |①-②-| ③③口口 |③-④-| ②口②口 ①口口① 口口口口 口口口口 口口口口 |----| ⑤⑤口口 |--⑤-| 22 ③③①① |①---| 口口口④ |--②-| ④口口口 |③---| 口口②② |--④-| 23 口口口口 |①---| ②①③口 |--②-| 口③①② |③---| 口④④口 |--④-| 24 口口口口 |①-②-| ②③③① |--③-| 口②①口 口口口口 ④口口④ 口口口口 口⑤口口 |----| 口口口口 |④-⑤-| 25 口口口口 |①-②-| ④②③口 |③-④-| ①口①口 |----| ③②④口 |----| 26 口口口口 |----| 口④②口 |①-②-| 口⑤⑤口 |③-④-| ①口口③ |--⑤-| 27 ⑨口口⑤ |①-②-| ①⑩⑥② |③-④-| ③⑦⑪④ |⑤⑥⑦⑧| ⑧口口⑫ |⑨⑩⑪⑫| 28 口口口口 |----| ⑤③②⑥ |①-②-| 口口口口 |③-④-| 口①④口 |⑤-⑥-| 29 ⑤口口⑨ |①-②-| 口⑥⑩口 |③-④-| ①⑪⑦② |⑤⑥⑦⑧| ⑫③④⑧ |⑨⑩⑪⑫| 30 口口口⑥ |----| ③口口② |①-②-| ①口口④ |③-④-| ⑤口口口 |⑤-⑥-| 31 ①口④口 |①-②-| 口口口口 |③-④-| 口口口口 口③口② ⑨口口⑤ 口⑩⑥口 口⑦⑪口 |⑤⑥⑦⑧| ⑧口口⑫ |⑨⑩⑪⑫| 32 口①①口 |----| ①⑤④① |①---| ②口口③ |②-③-| ④②③⑤ |④-⑤-| 33 ②口口② |①-②-| ③口口③ |③-④-| 口①①口 |----| 口④④口 |----| 34 ⑤⑧⑧⑤ |①-②-| ③④②① |③-④-| ⑦⑥⑥⑦ |⑤-⑥-| ②①③④ |⑦-⑧-| 35 口口口② |①---| ①③②① |②-③-| ③口口口 口①①口 口④④口 ⑤口口⑤ 口⑥⑥口 |④-⑤-| ⑦口口⑦ |⑥-⑦-| 36 口口口口 |①---| ③口口③ |②-③-| ①口口① 口②②口 ⑤⑥⑥④ 口口口口 ⑦④⑤⑦ |④-⑤-| 口口口口 |⑥-⑦-| 37 ③口口③ |①-②-| 口②①口 |③---| 口③③口 |----| 口①②口 |----| 38 ①③③② |①-②-| ①④口② |③-④-| ④口口口 口口口口 口口口⑦ 口口⑤口 口⑥⑥⑤ |⑤---| ⑦口口口 |⑥-⑦-| 39 ③②①口 |①-②-| ④口口口 |③-④-| 口口口④ 口①②③ ⑧口口口 口⑦⑥⑤ ⑤⑥⑦口 |⑤-⑥-| 口口口⑧ |⑦-⑧-| 40 口①②③ |①-②-| 口口④口 |③-④-| 口④口口 ③②①口 口口口⑧ ⑥⑤口⑦ ⑦口⑤⑥ |⑤-⑥-| ⑧口口口 |⑦-⑧-| 41 口②①口 |①-②-| 口③④口 |③-④-| 口④③口 |----| 口①②口 |----| 42 ⑨⑦⑧⑬ |①②③④| ⑤⑩⑭⑥ |⑤⑥⑦⑧| ③⑮⑪④ |⑨⑩⑪⑫| ⑯①②⑫ |⑬⑭⑮⑯| 43 ⑬⑧⑦⑨ |①②③④| ⑥⑭⑩⑤ |⑤⑥⑦⑧| ④⑪⑮③ |⑨⑩⑪⑫| ⑫②①⑯ |⑬⑭⑮⑯| 44 ⑨⑦⑧⑬ |①②③④| ⑤⑩⑭⑥ |⑤⑥⑦⑧| ③⑮⑪④ |⑨⑩⑪⑫| ⑯①②⑫ |⑬⑭⑮⑯| 45 ⑬⑧⑦⑨ |①②③④| ⑥⑭⑩⑤ |⑤⑥⑦⑧| ④⑪⑮③ |⑨⑩⑪⑫| ⑫②①⑯ |⑬⑭⑮⑯| 46 ⑨⑦⑧⑬ |①②③④| ⑤⑩⑭⑥ |⑤⑥⑦⑧| ③⑮⑪④ |⑨⑩⑪⑫| ⑯①②⑫ |⑬⑭⑮⑯| 47 ⑬⑧⑦⑨ |①②③④| ⑥⑭⑩⑤ |⑤⑥⑦⑧| ④⑪⑮③ |⑨⑩⑪⑫| ⑫②①⑯ |⑬⑭⑮⑯| 48 ⑨⑦⑧⑬ |①②③④| ⑤⑩⑭⑥ |⑤⑥⑦⑧| ③⑮⑪④ |⑨⑩⑪⑫| ⑯①②⑫ |⑬⑭⑮⑯| 49 口⑧⑦口 |①②③④| ⑥口口⑤ |⑤⑥⑦⑧| ④口口③ 口②①口 口口口⑨ 口口⑩口 口⑪口口 |⑨⑩⑪-| 口⑫⑫口 |⑫---| 50 口口②③ |①---| ①口口① |②-③-| 口②③口 口口口口 口④口口 ④口⑤⑤ ⑥口口口 |--④-| 口⑥口口 |⑤-⑥-| 51 口口口口 |①---| 口②③口 |②-③-| 口口①① 口口②③ 口⑥⑤⑥ 口口口口 口④⑤④ |--④-| 口口口口 |⑤-⑥-| 52 ①口口口 |①---| 口③②口 |②-③-| ①口口口 ③②口口 ④口口口 口口口口 口④口口 |----| 口口口口 |--④-| 53 口②口口 |①-②-| 口口③① |③-④-| ④口②④ |----| ⑤③①⑤ |⑤---| 54 ③②口口 |①---| 口①①口 |②-③-| 口③②口 口口口口 口口④口 ⑤⑤口④ 口口口⑥ |--④-| 口口⑥口 |⑤-⑥-| 55 口口口口 |①---| 口③②口 |②-③-| ①①口口 ③②口口 ⑥⑤⑥口 口口口口 ④⑤④口 |--④-| 口口口口 |⑤-⑥-| 56 口口口① |①---| 口②③口 |②-③-| 口口口① 口口②③ 口口口⑤ ④⑥口口 口口⑤口 |--④-| 口④⑥口 |⑤-⑥-| 57 ④③①④ |①-②-| ④口②④ |③-④-| ③①口口 |----| 口口口② |----| 58 口口①口 |①---| 口①口① |----| 口口①口 |----| 口口口口 |----| 59 口口口口 |①---| 口①口口 |----| ①口①口 |----| 口①口口 |----| 60 口①①口 |①---| ①口口① |----| ①口口① |----| 口口口口 |----| 不确定度 0
https://w.atwiki.jp/itmsanime/pages/842.html
【作品名】Wii用ソフト FRAGILE ~さよなら月の廃墟~ OP 【曲名】光 【歌手】手嶌 葵 【ジャンル】J-Pop 【価格】¥200 □■iTMS■□ 【作品名】Wii用ソフト FRAGILE ~さよなら月の廃墟~ ED 【曲名】月のぬくもり 【歌手】手嶌 葵 【ジャンル】J-Pop 【価格】¥200 □■iTMS■□ 【詳細】iTS先行配信
https://w.atwiki.jp/tokimekicn/pages/1343.html
さよなら日記~友達失格~ 如月未绪的Image Song之一。 歌曲信息 作词:大内正徳 作曲:村井聖夜 编曲:たっぴー Synthesizer:たっぴー Guitar:古川もとあき Chorus:広谷順子,木戸やすひろ 演唱:関根明子 歌词 彼女とわたしは 正反対の性格で 陽気で無邪気 そんなことが わたしの憧れなの 友達でいられるのが自慢 ラブレター 代筆たのまれた 相手が彼だと聞かされ驚いた 自分から言えるはずない 片思い 彼女の名前で わたしの言葉 想い伝えて ふたりは恋人 でもいつか気づいてね 悲劇のヒロイン それが本音じゃ 友達失格 彼と二人きり 過ごす今年のクリスマス 悩む乙女は 「彼に何をプレゼンドすればいい?」 「ねぇ、わたしが 選んであげようか?」 彼女に手渡したマフラー 喜ぶ姿に 少し胸が痛い パアの片方はわたしの部屋にある 彼女は友達 今頃彼と キスとケーキで 甘いイブの夜 片方のマフラー 抱きしめ彼女の 不幸思えば 友達失格 部屋の呼び鈴が 優しく鳴って ドアの向こうに 彼女の笑顔 「友達と過ごしたい 彼の許可済み」 そっと マフラー彼女に巻いたの 收录CD 立体广播剧 更加!心跳回忆 NOV. featuring 如月未绪 (1995/11/22) 心跳回忆 Vocal Best Collection2 (1996/08/21) 相关页面 音乐
https://w.atwiki.jp/hshorizonl/pages/468.html
← “ひかるちゃん…!” 脳裏に響く念話を聞いて。 キュアスター…星奈ひかるは申し訳ない気持ちになった。 あぁ、心配かけちゃったなぁ。 また泣かせちゃうなんて。 わたしはほんとにダメなサーヴァントだ。 もっと頑張らないと。 “えへへ…ごめんなさい、真乃さん。ちょっとドジしちゃいました” “ドジしちゃいました、じゃないよ…! 今すぐこっちに来て! そしたら皆で逃げることも――” “真乃さん。…ほんとにごめんなさい。それはできないんです” 星奈ひかるはちゃんと理解していた。 自分が背負う役割の重要さを。 自分が持ち場を離れれば、当然"彼"もそっちに向かってくることになる。 そうなったらいよいよもう取り返しがつかない。 真乃が令呪を使えば話は違うだろう。 令呪を使ってただ一言、自分を連れて逃げろとそう命じれば。 ひかるは真乃を連れてこの場を離れる。 そしたらもしかしたら…本当に低い確率ではあるけれど。 致命傷を負ったひかるが一命を取り留めることもあり得るかもしれない。 でも。 “…真乃さんは。それ、できないですもんね。 わたしは真乃さんがそんな人だからこそ、大好きになったんですから” 念話ではない、本当の心の声でひかるは独りごちる。 櫻木真乃にその選択はきっとできない。 にちか達や摩美々を、彼女達のサーヴァントを見捨てて逃げるなんて。 そんなことをできる筈がないのだ、あの優しい人が。 あんなに優しいアイドルが。 “わたしは…真乃さんと、真乃さんの大事な人たちのために最後まで戦いたいんです。心配かけてごめんなさい。でも、わかってほしいな” “っ――最後だなんて言わないで! 最後なんかじゃない、最後なんかじゃないよ、ぜったい…!” 拳と拳を交わし合いながら。 血を撒き散らし踊りながらひかるは小さく笑う。 そして思った。 ああそうだ。 これは最後なんかじゃない。 これを最後になんてしてやるもんか。 “…わかりました。わたしはちゃんと真乃さんのところに帰ります” わたしは真乃さんのサーヴァントで。 真乃さんを最後まで見届ける責任がある。 だから負けられない。 これは、最後なんかじゃないんだと。 そう自分に言い聞かせて――時間経過と共に少しずつ尽き始める自分の命運(リソース)から目を背けて。 “だから…応援してください真乃さん。そしたらわたし、どれだけだって戦えます!” “……なら!” 瞬間。 ひかるの消えかけの霊基に光が灯る。 熱が宿る。 戦いの最中だというのに思わず目を伏せてしまった。 しかしその迂闊を誰が責められるだろう。 いいや誰にも責めさせない。 ひかるにとってそれは、この世界の何よりも暖かくて眩しいエールだったから。 “令呪を以って、命ずる――勝って、帰ってきて。ひかるちゃん” “…はい。はい、はい……!” “令呪を以って――っ、重ねて、命ずる!” 片目を潰されて。 腹を不意討ちで貫かれて。 全身余す所なく痛くて苦しいのに。 なのにひかるはこう思わずにはいられなかった。 ああ、なんてわたしは幸せなのだろう。 こんなに優しくてあたたかいマスターに恵まれて。 ただでさえあんなに楽しくて素敵な、キラやばな人生を過ごせたのに。 わたしばっかり。 こんなにたくさんもらって、いいのかなぁ。 “勝って――帰ってきて。帰ってくるの、ひかるちゃん……!” …令呪二画で重ねがけされた命令。 それは精神論の領域を飛び越えて現実の利益となってひかるの霊基を満たす。 イマジネーションにすら依らない増幅。 覚醒――誰かが誰かのために流す涙と。 誰かを大切に思うこと、それを起爆剤に起こす奇跡の結実。 たとえこの世界に令呪というシステムがなくとも。 それでも星奈ひかるは、キュアスターは輝いただろう。 何故ならプリキュアは全ての人の味方で。 全ての人々の願いと応援を受けてこそ真に輝く戦士なのだから。 「はあぁあぁああああ――!」 「ッ…!」 あなたのサーヴァントでよかった。 あなたのサーヴァントでいたい。 この先もずっと、もっと! “馬鹿な…何故まだ動ける。何故この期に及んで強くなれる! 貴様の霊核は既に……現界を保てる状態ではないというのに!” 猗窩座の猛追を全て打ち払う。 力ずくで押し返して、キュアスターは吠えていた。 もしかしたらその姿はヒーローとして褒められたものではなかったかもしれない。 けれど今この時キュアスターは既にヒーローではなかった。 櫻木真乃という、この世界で出会ったお姉さん。 優しくて明るくて。 一緒にいるだけで心がぽわぽわしてくるあの人のために。 あの人と過ごす最後の思い出をどうか涙で終わらせないために。 あの人と、もっと一緒にいるために! それだけのためにキュアスターは今戦っていた。 生きるということ。 生き続けるということ。 生物の本能にも繋がる執着が引き起こす異次元のイマジネーションが令呪二画分の命令と共鳴して輝き猛る。 「破壊殺――鬼芯八重芯ッ!」 猗窩座、躍動。 両手を起点に繰り出す怒涛の拳連撃はキュアスターの矮躯など易々覆い隠す規模であったが。 「こんな…もの、っ!」 キュアスターはそれを力ずくで突破する。 そう、文字通りの力ずくでだ。 そこに小難しい理屈や術技は存在しない。 ありったけブーストされた拳の一撃で打ち払う。 そして拳撃の激流に逆らいながら猗窩座へ駆ける。 猗窩座はこの時初めて――その背筋に冷たいものを覚えた。 “何だ、これは…?” 一秒二秒と時間が経過する毎に目前の敵が進化していく。 次から次へと先の段階へ足を進めていく。 その度増していく輝きは。 彼女を打ち砕き進まんとする猗窩座という名の闇が見えなくなる程に眩い光であった。 「破壊殺――ぐ、がァッ…!?」 キュアスターの拳に触れた猗窩座の拳が砕けた。 それだけに留まらず彼の体が襤褸切れのように吹き飛ぶ。 受け身を取るなりやって来る"次"に猗窩座は逃げの一手を選ぶしかない。 今にも消えかけていた瀕死の相手を前にだ。 そんな消極的な手を打たねばならない程に、猗窩座は追い詰められていた。 “真乃さん…わたし、わたしっ……!” それは修羅には臨めない輝きだった。 彼らは何かを切り捨てることで前に進んでしまうから。 何かを大事に思うが故の。 誰かとずっと一緒に居たいが故の強さに辿り着けない。 あるいはそれこそが猗窩座とキュアスターの間にあった一番の違い。 それが此処に来て克明に浮き出てくる。 “わたし…まだあなたと――さよならしたくありません!” 何かを切り捨てる強さと何かを守る強さ。 自分さえも蔑ろにする強さと自分の幸せも視界に含めた強さ。 どちらが強いと一概に決め付けることはできないだろうが。 その二つが競い合った一つの結果は今こうして現出していた。 キュアスターの拳に光が灯る。 これまでで最大の輝きを放つそれは、まさしく星の光と呼ぶべきもので。 猗窩座は確信する。 これが最後の激突になると。 破壊殺・終式――最早口上など要らぬ。 出せる限り全ての力を尽くして猗窩座は舞った。 そして突き進む。 目前の光を消し去るため。 目前の星を落とすため。 花火の煌めきをその身に帯びながら押し迫る躯の霊基に。 “勝ちます! 帰ります! だから…だから!” キュアスターは只吠えた。 「わたしに力を貸してください――真乃さんッ!」 その輝きはまさに超新星(スーパーノヴァ)。 爆光とすら化した光で以って。 されど猗窩座を殺すと意気込むことは一切せず。 ただ勝つために。 ただ生きて帰るために。 …ただ、ずっと一緒にいるために。 彼女のサーヴァントであるために、キュアスターは輝いた。 そこに挑むは猗窩座、修羅。 顔は鉄面皮など保てない。 鬼気を浮かべた形相で迫る姿は鬼どころか鬼神の如し。 度を越した熱量に肉体が蒸発する感覚すら覚えながらも足は止めず。 光と闇、ヒーローと修羅の最後の激突が起こるその刹那に。 ◆ ◆ ◆ “令呪を以って重ねて命ずる――勝て、ランサー” 誰かの。 誰かの、声がして―― ◆ ◆ ◆ 次の瞬間――戦いは終わっていた。 猗窩座の総身は八割方が焼失。 残ったのは腕の肉を除けばほぼ全てが骨格という有様。 それでも彼の腕は。 土壇場にてキュアスターに捧げられたのと同画数の令呪の加護を得るに至ったその凶手は、確かに。 「…獲ったぞ、アーチャー」 アーチャー、キュアスターの胸を。 半壊状態にあったその霊核を確かに今一度。 類稀なる精度で以って貫いていた。 再生が始まり猗窩座は元の形を取り戻していく。 しかしキュアスターはいつになっても回復しない。 潰れた目も腹の大穴も、砕け散った霊核も。 どれ一つとして…、蘇ることはない。 「…これで終わりだ。貴様は敗れた」 「…、……」 「――目障りだ」 腕を抜けば。 キュアスターは崩れ落ちた。 いつしかその姿はキュアスターから星奈ひかるのそれへと戻り。 血の海に倒れ伏した彼女に、猗窩座は言う。 「戦士が泣くな」 「…っ。ぁ……。泣いて、なんか…ないです」 「…そうか。ならば……俺の見間違いだったか」 少女は泣いていた。 その目から滂沱の涙をぼろぼろと流して。 もう立ち上がるどころか指一本すら動かせない状態で。 猗窩座にも余力はもうほぼないが。 それでも彼女にとどめを刺すくらいはできる。 にも関わらず彼は踵を返した。 負けて泣く哀れな娘のことを謗ることすらしなかった。 「安心した。泣き味噌の小娘に敗れかけるようでは俺も立つ瀬がない」 猗窩座は確かに死にかけていた。 紙一重だった。 プロデューサーの令呪の援護があって、その御蔭で勝てたのは確かだ。 だがそれでも…それだけであの局面を確実に勝てていたかと言われれば答えは否になる。 勝算は良くて五分五分。 ともすればそれを下回っていた。 敗北し地に臥していたのは猗窩座だったかもしれない。 むしろその可能性の方が、高かった。 “――何をしている? 俺は。これが…これが、サーヴァントの在るべき姿だとでも言うのか?” 自分と互角に立ち回った娘に。 猗窩座は結果的に、ある種の敬意を示したことになるのだろう。 そのことをわずかに遅れて理解して、猗窩座は煩悶の中に放り込まれた。 もはや敗者を振り返るつもりなどない。 ないが。 今の言葉は、いや振り返らぬというその姿勢そのものが。 勝利を求める身にあるまじき贅肉ではないのかと。 そう自問せずにはいられなかった。 ああなぜ。 今此処であの男の顔が脳裏をよぎるのか。 町のごろつきでしかなかった盗人の己を叩きのめし、一から鍛え上げてくれたあの男(ひと)の顔が。 あの人ならば…どうしただろうか。 あぁ。 考えなくても分かる。 きっと――同じようにしただろう。 “…反吐が出る” それは不要だ。 それは要らない、今の己には。 そう分かっていても結果猗窩座は後ろを振り向けず。 修羅の鬼によるキュアスターとの戦いは…苦味の残る勝利という形で幕を下ろした。 そして敗者は。 ただ這い蹲っていた。 もはや指の一本も動かせない。 泣いてない。 泣いてなんかいません。 わたし、わたし。 そう強がっても瞳から流れるのは涙で。 体は嗚咽に合わせてわななくばかりで。 説得力など欠片もなくて。 “わたし…負けちゃったんだ……” 否応なくそう理解させられる。 分かってしまう。 立ち上がろうにも足が動かない。 這って追い縋ろうにも腕が動かない。 当たり前だ、もう体の中の何処もかしこも壊れている。 とどめとばかりに霊核を砕かれて。 キュアスターは、星奈ひかるは。 後はただ消えるのを待つだけのサーヴァントになりさらばえた。 “――ひかるちゃん! ひかるちゃんっ!” …わたしの名前を、よんでる。 真乃さんが、よんでる。 あぁ。やくそく、守れなかったな。 勝ってって言われたのに。 帰ってきてって言われたのに。 どっちも、守れなかったや。 “ごめん、なさい…真乃さん。わたし……真乃さんとの約束、守れませんでした” “…っ。うそ……だよね。嘘、だよね……!? ひかるちゃん……ひかるちゃんっ……!” 真乃さんが、ないてる。 わたしのせいだ。 真乃さんはアイドルなんだから。 わらってる顔が、一番かわいいのに。 “わたし…とっても。とっても、たのしかったです。 真乃さんと一緒にいられて、すごく。 まるでお姉さんができたみたいで、新鮮で。ずっとこんな時間が続けばいいのになぁ、って……” “続くよ…ずっと続くよっ……! わたしもひかるちゃんと一緒にいられてすごく楽しかった……! だから変なこと言わないで、まるで……まるでこれから居なくなっちゃうみたいなこと、言わないでっ……!” 真乃さんの声は聞いているだけで辛くなってくるような涙声で。 だからわたしも自然と、ただでさえ溢れていた涙の勢いが強くなってしまいます。 ――やだ。 ――やだ、やだよ。 さよならなんてしたくない。 わたしはまだ。 真乃さんのために何もできてない。 真乃さんのこと、何も知らない。 もっとたくさんおはなししたかったのに。 もっとたくさんいっしょにいたかったのに。 なのに。 これで終わりなんて、あんまりじゃないですか。 あんまりだよ。 だけど。 そう思うけど。 でも…自分の体のことは自分が一番よく分かっていて。 もう何をどうしたってわたしは"この先"には行けないんだって分かっていたから。 “真乃さん。どうか…どうか、幸せになってください” だからせめて。 心の声だけは気丈に。 真乃さんを悲しませてしまわないように。 あんなに優しくて素敵な人をこれ以上泣かせないように。 努めて明るく、お別れなんて平気みたいな声色にしようと。 “わたしは…真乃さんの隣から、いなくなっちゃいますけど。 真乃さんにはまだたくさんの味方がいます。その人たちと一緒に、幸せになって” “そんなの…そんなの……ずるいよ、ひかるちゃん。 ひかるちゃんは――私のサーヴァントなのに。 私に……サーヴァントのあなたを置いて、幸せになれなんて……っ” 頑張ってるんだから。 頑張ってるんですから、分かってくださいよ。 もう言わないで。 これ以上は我慢できなくなっちゃうから。 うぐ、えぐ…なんて情けない嗚咽を漏らして。 わたしはそれでも。 がんばって、お別れの言葉を紡いで。 “わたしは…真乃さんを悲しみや辛さから守ってあげることもできなくて。 おまけに、一足先にいなくなっちゃうようなダメなサーヴァントでしたけど” これが最後だから。 せめて意味のある言葉を残そうとがんばって。 “でも…真乃さんの人生は、こんなところじゃきっと終わらないはずですから。 生きて――生きてください。生きて、こんな狭い世界からは早く飛び出して……真乃さんのキラやばを見せてください。 その時わたしは、きっと真乃さんの隣にはいられないけれど。 真乃さんのサーヴァントでは、いられないけれど……きっと、必ず。世界の何処かから真乃さんのことを見てますから” “――やだ。…やだよ、そんなの……!” がんばって。 がんばって……。 “ひかるちゃんが…見届けてよ。 私が元の世界に帰るまで、最後まで……! そうじゃなきゃ、やだよ……私、私っ……!” がんばって、がんばって。 “ひかるちゃんと一緒じゃなきゃ、やだよぉ……!” ――あぁ。 もうやめてください。 そんなこと言わないで。 そんなこと言われたら。 あなたに、そんなこと言われたら。 わたしだって…。 わたしだって、我慢できなくなっちゃうじゃないですか。 “だいじょうぶ” やだ。 やですよ、嫌ですよ。 わたしだって、嫌ですよ。 真乃さんを置いていくなんて。 最後まで真乃さんのサーヴァントでいられないなんて。 “だいじょうぶです。真乃さんは、きっと” 最後まで真乃さんのサーヴァントでいたかった。 お姉さんみたいなあなたの隣にいたかった。 辛いこと、悲しいこと、全部いっしょに乗り越えて。 あなたが元の世界に帰る最後の最後までを見届けたかった。 “真乃さんは…わたしがいなくても幸せになれます。 だって真乃さんはとってもかわいくて、とっても綺麗で…とっても優しくて強い人ですから!” 行かないで。 行きたくない。 まだ、此処にいたい。 もっと此処にいたいです。 わたしだって。 わたしだって此処にいたい。 あなたと、いたい。 “だから――” ああでも。 それを口にしたらきっと。 それは、真乃さんへの呪いになってしまうから。 “だから、心配しないで! わたしのことは…あはは、忘れてほしくはないですけど。 真乃さんはこの先も、わたしの大好きな真乃さんのままで頑張ってください!” 言えない。 言えるわけなんてありません。 わたしは所詮サーヴァント。 一度死んだ人で。 生きている人間にはどうやったってなれないんだから。 “わたし――どこに居たって真乃さんのことを忘れません! ずっとずっと…応援してますから!” “…ひかる、ちゃん” わたしはプリキュアなんだから。 キュアスターなんだから。 誰かを泣かせるようじゃダメなんです。 わたしがいなくなった後も、真乃さんが前を向いて歩けるように。 いつかこの世界を後にして…真乃さん自身の人生に戻れるように。 “だから――さようなら、真乃さん! あなたは…わたしにとって、とってもキラやばな、最高のマスターさんでした!” せめて呪いだけは。 傷だけは残さないように旅立ちます。 …。 ……。 ………。 “ひかる…ちゃん。 ありがとう――今まで…本当に、ありがとうっ……!” …。 ……。 ………。 “私も…ひかるちゃんのこと、あなたのこと、絶対に忘れないよ。 この先何があっても、どんなことがあっても……ひかるちゃんと過ごした日々のこと、絶対に忘れたりなんかしない! だから…だから、っ……!” …。 ……。 ………。 “見てて――ひかるちゃん。わたしのこと、みんなのこと。ずっと、ずっと…!” ――なんで。 なんでわたしは、この人の隣にいられないんでしょう。 この人のことを置いていかなきゃいけないの。 もっと真乃さんといたいよ。 テレビを見たりお菓子を食べたり。 なんてことのない時間を一緒に過ごして、笑い合いたかった。 笑っていたかったよ。 “――はい。もちろんです! ずっと見てますから…わたしが!” だけど。 わたしがどれだけ願っても時間は来てしまう。 顔中涙と鼻水でぐちゃぐちゃで。 とても格好なんてつかないけれど。 それでも…真乃さんの前では最後まで格好つけられた。 何一つ呪いを残さず。 心を傷つけることなく。 プリキュアらしく、さよならできた。 真乃さん。 いっしょにいられたのは少しの間だけだったけど。 それでも…わたしのお姉さんみたいだったあなた。 どうかずっとあなたはそのままでいてください。 あなたはあなたのままで、誰もに愛されるアイドルになって。 わたしもきっと、何処かでそれを見てるから。 だからどうか。 生きて。 わたしがいなくなっても生きてください。 あなたがあなたの人生に戻って、あなたとして生きられることを。 わたしはずっとずっと…心の底から祈っています。 「――さよなら」 さよなら、真乃さん。 わたしの最高のマスターさん。 わたしの一番大好きな、アイドルさん。 わたしにとってあなたは。 初めて会った時からずっと。 これからも、ずっと…。 「あなたはずっと。最高にキラやばでしたよ――真乃さん」 【アーチャー(星奈ひかる)@スター☆トゥインクルプリキュア 消滅】 ◆ ◆ ◆ 空に。 太陽が浮かんでいた。 黒く昏い太陽には貌があって。 それは地に群れる衆生全てを等しく嘲弄していた。 悪意と憎悪に淀み狂った怨霊の魂が。 かつて都を転覆させんと詛呪の限りを尽くした悪霊左府が。 光の代わりに呪いと災いを降り注がせる闇の太陽としてそこにある。 「ふ、ふふふ、ふふはははははは、あはははははァ――」 一人呵々大笑するはアルターエゴ・リンボ。 リディクールキャットは地獄へ通ずる穴を常世に穿って愉快愉快と手を叩いている。 事実この戦場は既に八割方決着を迎えていた。 身も蓋もない理由。 彼らでは、リンボという脅威に対応できない。 捨て駒の式神相手ならばいざ知らず。 宝具の解放すら厭わない捕食者としてのリンボを相手に勝利を勝ち取るのは彼らには荷が重すぎた。 唯一の頼みの綱はこの中で最も戦闘に特化したスペックを有するアシュレイ・ホライゾンだが。 その彼がリンボへ加勢しようとすれば、彼の呪を受けたチェス兵達がそれを阻む。 「くそッ…!」 思わず苦渋の声が漏れた。 降り注ぐ呪いの嵐は致死的であり、事実溢れた呪詛に掠りでもすればマスターの少女達は死毒にも似た呪いに蝕まれるだろう。 にも関わらず未だそうなっていない理由は一つ。 リンボはこの圧倒的優位な状況を嗜虐の観点から愉しんでいる。 逃げ惑う姿を、絶望に青褪める姿を。 心底面白がっているからすぐには殺しにかかっていないというだけのことなのだ。 アシュレイの剣が裂帛の気合を載せ振り抜かれた。 チェス兵一体の魂魄を両断し、残骸も残さず燃やし尽くすが。 次の瞬間真横から振るわれた剣閃がアシュレイの胴に一直線の斬傷を刻んだ。 反撃を繰り出して押し返しながらアシュレイは歯噛みする。 “一番厄介な手を取られた。質の伴った物量での力押しは、こっちが最も避けたい事態だったんだ。 ――人の嫌がることを考えるのなら誰より得意ってワケか…!” ひかるの手を借りられればもっと楽だったのは間違いない。 だが果たして彼女でも、この水準の敵を四体も瞬殺できるかは怪しいだろう。 そして苦戦を強いられるアシュレイの耳朶を陰陽師の粘つく声が撫ぜた。 「おやおや残念。猶予は差し上げたつもりだったのですが…」 ぞわりと背筋を這う悪寒。 でかいのが来ると悟るや否やアシュレイの行動は速かった。 光との和解。 燃え盛る太陽の制御と調和。 界奏に至り烈奏を鎮めた彼が、その死後にようやく成し遂げられた偉業。 光も闇も受け止める灰色に辿り着いた男が示す優しい答え。 癒やしの炎により肉体の負傷を即座に回復させつつ、寄せ来る呪いに備えるべく劫炎の津波を生じさせたが。 「残念、時間切れでございます! ――急々如律令ォ!」 「がッ――!」 永久機関化された炎はしかし決して突出をしない。 暴走もせずそれによる自傷も起こらない只人の炎。 故にこそ火力上限を超えた制圧攻撃に対する免疫は格段に落ちた。 その欠点を示すようにリンボの呪詛は暗黒の魔力という形で彼へ降り注ぎ。 放っていた攻防一体の火炎流を蒸発させながら、アシュレイの総身を押し潰して地面に這わせた。 「便利な力ですなァ芥虫のように死ににくい! 力を込め押し潰しても拙僧としては一向に構いませんが…丁度いい!」 反撃しようにも立ち上がれない。 炎を発動体から絶え間なく生じさせているが片っ端から掻き消される。 仮ににちかが令呪を使ってアシュレイの能力値を底上げしたとしても、果たして彼我の差を埋められるかどうか。 それ程までの出力差の前に地へ押し潰され続けるのを余儀なくされるアシュレイ。 リンボの言う通り、身動きは取れずとも生命活動だけは星辰光の性質のおかげで続行できていたが。 「そこで黙って見ていなさい。 貴方の使い道はそれから考えますのでね」 損傷と再生を繰り返すアシュレイを前に悠然と踵を返したリンボ。 その眼は彼に比べて格段に戦闘能力で悖るアイドル達と、それを守るメロウリンク・ウィリアムの二人へ向けられていた。 そしてそれに呼応するように空の太陽がぎょろりと瞳を動かす。 次に呪い殺すべき獲物達を。 滅ぼすべき都の民達を。 「ン、ン、ンンンン――というわけでお待たせ致しました役立たずの皆様方」 嬲るような眼差しだった。 リンボも、そして太陽も。 「現実とは斯くも無情なもの。 罠を張り巡らせ策を張り巡らせ! 持たざる者なりに小癪に裏を掻こうと尽力していたのに、こうして白日の下に引っ立てられてしまうとは」 そして視線の先の彼らはどうしようもない程に詰んでいる。 機甲猟兵メロウリンクが得意とする戦場が此処に今更生まれてくれる余地はなく。 犯罪卿ウィリアムの策謀も交渉術もリンボという名の圧倒的暴力の前には何の意味も持たない。 アイドルの少女達は論外だ。 令呪を駆使したとしても…そもそもからして英霊としての霊格が低い彼らが果たして命令通りに逃げ切れるかどうか。 何しろ彼らが相対しているのは美しき肉食獣。 弱者を追い詰め、甚振り、弱りに弱った所を喰らい貪ることを生業とした生き物なのだから。 「あちらの彼はやたらと死ににくく、ついつい拙僧芥虫などと謗ってしまいましたが…」 弧を描く口から鋭利な牙が覗いた。 「その点あなた方はそれにも劣る。無力で惨めで何にもならない…蠢くばかりの蛆虫のようですな?」 もはや一方的に虐殺するだけで事は足りる。 勝利を確信するが故にリンボの舌もよく回る。 光り輝く少女達と、それを尊いと思ったサーヴァント達を虫になぞらえ嗤う獣に。 「…じゃあ。さしずめあなたは、誰にも評価されない"害虫"ですか」 声の震えを押し殺しながら言葉を吐きかけた少女が、一人。 声の主は、田中摩美々というアイドルだった。 悪い子を自称し笑った彼女が今目の前にしているのは正真正銘本物の悪。 誰かを踏みつけ痛めつけ、大切なものを奪われた人の悲しみや憤りを肴に笑う邪悪。 「リンボさんでしたっけー。あなた…なんていうか、可哀想なヒト――なんですね」 「ははは。愛らしいですなァ。大切なご同輩を侮辱されて腸でも煮やしましたかな」 「たまにいるんですよー、アイドルやってるとー…」 二人のにちかの視線が摩美々へ向かう。 何を言ってるんですか。 余計怒らせてどうするんですか。 言葉には出さなかったが、口に出されたら摩美々も文句の一つも言い返せなかっただろう。 「新曲が好きじゃなかったーとか。SNSで返信してもらえなかったとか。 流石に私はそこまではなかったですケドー、握手会でやらかして出入り禁止にされて逆恨みで…とか。 そういうほんのちょっとした理由でファンからアンチに変わっちゃう人って多いんです」 彼女のサーヴァントであるウィリアムもそうだった。 だが彼は敢えて何も言わなかった。 何も言えなかった、に近いかもしれない。 合理的に考えればどう考えても得策とは思えない行為なのにも関わらず。 「リンボさんってー。そういう人たちに、すっごい似てますよ」 「…ほう?」 「人の嫌がることばかりして。人の悪口ばっかり思い付いて。 でもー…自分がどういう人なのかってことは誰にも伝えようとしない。 一人で歪んで腐って、その結果みんなに煙たがられて嫌われてしまう。 そういう人って……私みたいな駆け出しでも覚えがあるくらい、現代にはいっぱいいるんですよー」 摩美々は決してリンボに同情しているわけではない。 そんなわけがない。 そこには怒りがあって嫌悪がある。 したり顔で戦場に現れて。 恥も外聞もなく全てを横取りしていくような男に対し、優しい心を持てる程田中摩美々という少女は"いい子"ではなかった。 「拙い言葉ですねェ。詰まるところ何を仰りたいので?」 「…リンボさんってー」 震えは今も止まっていない。 恐怖が心を焦がし削る。 絶望の二文字を極力見ないようにしているだけだ。 でも。 「つまんない人なんですね。私の知ってるサーヴァントさん達とはー、大違いです」 「――ンン」 それ以上に腹が立っていた。 だから言わずにはいられなかった。 そして摩美々の紡いだ勇気ある言葉は。 勝者を気取り嘲笑うアルターエゴ・リンボの本質の一端を確かに射抜いていた。 「耳を貸すまでもありませんでしたな。どのような愉快な遺言を吐いてくれるものかと拙僧密かに期待していたのですが」 「…じゃあ"愉快"ではなかったんですねー。摩美々さんの言ったことって」 顔を不織布マスクで半分覆った方のにちかが、何を思ったか追い打ちをかけた。 摩美々が驚いたように彼女を見る。 にちかはそれに対して困ったように笑ってみせた。 「全く以って下らない。苦し紛れの戯言を唱えている暇があるなら、いっそ令呪に頼って逃走でも図っていれば良かったものを…」 アルターエゴ・リンボ。 真名を蘆屋道満。 彼はまさに田中摩美々が言うように、誰かの存在を苦にして魔道に堕ちた存在であった。 通常の法師を基準で考えれば十二分に天才であるとの評価を下されていた道満を。 遥かに置き去り燦然と輝く才能があった。 蘆屋道満があらゆる努力を費やしても届き得なかった。 その肩に手をかけることすら叶わなかった神才。 リンボの誕生のプロセスにおいて彼の存在は欠かすことのできないもので。 だからこそ摩美々は彼を言い負かしたと言える。 悪魔のように嗤う美しき獣の奥底にある真実を、たとえ一部なれど彼女は確かに射止めてのけたのだから。 「お喋りはもう良いでしょう。では現実を見せて差し上げる」 しかし、しかし。 口ではこの男は止められない。 横溢する魔力/呪力。 破滅的な一撃が数秒と経たない内にやってくると分かったからこそ、犯罪卿ウィリアム・ジェームズ・モリアーティは即座に行動していた。 “我々に勝率はない。七草にちかのアーチャーの存在を勘定に含めても、アルターエゴ・リンボを討ち斃すには遠すぎる” 頼みの綱はアシュレイ・ホライゾン。 そして彼方の地で奮戦する星奈ひかるだった。 しかし前者はリンボによって無力化されている。 残るはひかるのみ。 だが彼女も…時間を増す毎に気配と魔力反応が弱まっていた。 櫻木真乃の様子を見るに彼女も彼女で死力を尽くしてくれているようだが――果たして間に合うか。 “出し惜しみをしていられる状況ではない” ウィリアムは懐から取り出した少量の紙片を口に含んだ。 その名は地獄への回数券(ヘルズ・クーポン)。 この地で手に入れた、ウィリアムをして驚く程の効能を持った合成麻薬だった。 通常のサーヴァントが服用してもきっと意味はないだろう。 しかしウィリアムはこの界聖杯に集められたサーヴァント達の中でも最も非力であり…最も人間に近い。 だからこそ。 英霊でありながらその薬効の効き目に与ることができた。 これより数時間の間は、ウィリアム・ジェームズ・モリアーティは超人の領域に爪先だけでも踏み込むことができる。 “もしも万一。星奈ひかるが敗れ去り、あの修羅のランサーがリンボに加勢するような事態になれば…” とはいえそれは事態の好転を意味しない。 クーポンを服用(キメ)たウィリアムでも、リンボには間違いなく敵わない。 希望はもはやひかるだけだ。 彼女が猗窩座に敗れたならその時点で…283プロダクションに起因する主従の連合軍の完全敗北は確定する。 “…私は。マスターに……彼女に、最悪の決断を迫らなければならないだろう” 己一人で何処まで逃げられるかは分からない。 しかし残りのマスターやサーヴァントを囮に使えるならば話は変わる。 犯罪卿ウィリアム・ジェームズ・モリアーティ。 彼はマスターとその縁者がこの界聖杯を脱せることを最善としそのために尽力していたが。 それでも――彼の中には確かな優先順位が存在していて。 もしもこれまでの現状が"維持できる"という大前提が崩れたなら、その時は。 己がマスターのために悪に徹することさえも辞さない構えでいた。 そうならないことを祈りつつ。 クーポン服用の証拠に目元へ独特の紋様を浮かび上がらせたウィリアム。 そんな彼の行動や内心など無問題とばかりに――アルターエゴ・リンボは嗤っていた。 「では。第一打と行きましょう」 その言葉と共に。 世界が揺れた、揺らいだ。 リンボの行動は実に単純。 撒き散らす呪詛の太源たる太陽から呪力を引き出し適当に叩きつけただけ。 しかしそれだけで。 水面に大岩を叩き込んで波紋が生まれるように、莫大なまでの呪いの波が生まれ。 それはまともな戦う術を持たない少女達とそのサーヴァントに容赦なく襲いかかった。 抵抗の余地などあろう筈もない。 ライフル弾を打つ? 手持ちの爆薬を使う? 策を弄してこの状況からでも生き延びられる手を探る? 無駄だ。 全て無駄だ。 そして更に。 呪詛の炸裂が起こる一瞬前。 此方の物事になどまるで意識を割けない程もう片方の戦争に意識を集中させていた少女が…櫻木真乃が。 「ぁ――」 アーチャー、星奈ひかるのマスターが。 「ぁ…あ、ああぁあぁあああああ……!!」 慟哭の声をあげて。 それを以って全ての希望は潰えた。 星は潰え境界線は地に堕し。 光(おまえ)の出番は二度とない。 嘲笑う獣の第一打が放たれ。 忌まわしき波濤が、地を覆った。 ◆ ◆ ◆ 「おや」 第一打、吹き荒れて。 悪なるリンボは驚いたように目を開いた。 「おやおや、おやおやおや…存外にしぶといですね? あるいは悪運が強いと言うべきか。兎も角、ンン――」 彼の一撃で命を落とした者は結論から述べるといなかった。 アーチャー、メロウリンクのマスターである方の七草にちかは。 己のサーヴァントに庇われながら地を転がることでどうにか押し寄せる呪いの波の安全圏に入ることができた。 そして田中摩美々ともう一人の七草にちかはウィリアム・ジェームズ・モリアーティが助けた。 神算めいた目算で安全圏を割り出し、そこに転がり込む形で二人を押し込んだ。 損傷は大きかったが地獄への回数券の効力ですぐさま再生する。 そんな彼も失意の櫻木真乃にまで手を伸ばす余裕はなかったが。 彼女は――何の幸運か。 最初から、疎らに押し寄せる呪詛の波の安全圏に座っていた。 だから地を転がり意識を失う程度で済んだ。 傷一つ許されないアイドルの体は細かな擦傷と土埃で塗れていたが…それでも命が残っているだけで僥倖だろう。 果たして彼女が無事で済んだのはもうこの界聖杯に存在しない"星"のおかげなのか。 そこの所は定かでなかったが…しかし。 事態は依然として、何も好転などしていない。 少なくとも二度目はないとこの場の全員が確信していた。 「もはや令呪を扱える者すら少なくなりましたなァ…」 サーヴァントを失った櫻木真乃とウィリアムのマスターである田中摩美々は意識を手放していた。 今や意識があるマスターは二人の七草にちかのみ。 彼女達が今此処で令呪を駆使し…よしんば逃亡が上手く行ったとしても。 それでも最低限櫻木真乃と田中摩美々の二人は見捨てることを余儀なくされる。 「さて、さて。頭を捻り策を捏ね回すしか能のない蜘蛛めは良いとして」 リンボの目が向いたのは――機甲猟兵。 メロウリンク=アリティーの方であった。 「不思議なお方だ。 敢えて安全圏を用意したのはひとえに拙僧の諧謔ですが…貴方はマスターを守りたいが余り、自らの身を呪詛の氾濫の中へ置かねばならなかった筈」 「…ならどうした。勲章でも贈ってくれるのか?」 「いえ? ただ…興味を惹かれたものですから」 ザッ、ザッ…と。 リンボは彼の方に足を進め。 「少々試してみたくなった次第」 そのまま手を翳した。 それだけで確殺の準備は整う。 神秘の残る時代の都を転覆させんと燃え盛った怨霊。 それだけに留まらず、異なる邦の二柱の神をも取り込んだ陰陽師。 その霊基及び行使できる権能の桁――土臭く泥臭い猟兵なぞとは比べ物にもならない。 「貴方はどうやら類稀なる星の元に生まれておられるらしい。 特異点とまでは行かずとも。その近似値になれる程度の素養はありましょう」 「…随分と多弁なものだ」 メロウリンク・アリティーは生きていた。 あの呪いの波状攻撃の中、形振り構わない挺身を強いられながら。 それでも全身に大小様々な擦過傷を負うのみで済んでいた。 浴びた呪詛の総量も極めて小さい。 異能じみた生存力。 特異点の近似値。 ああ、ならば? 「あぁ、あぁ、あぁ! では、では? この拙僧めが全霊で貴方という個の滅殺に注力したならば、どうなるのでしょうねェ――?」 リンボの択は正解であった。 彼は近似値。 人より多少死ににくい。 コンマ1%程度の可能性ならばモノにできる。 だが、だが。 所詮は近似値。 本家本元の異能生存体には程遠く。 この距離そしてこの状況で、圧倒的な出力差のあるサーヴァントを前にして。 それが他でもない自分個人を狙い澄まして放つという先述の確率を遥か下回る"死"を前にして奇跡を掴み取れる程――万能ではない。 「興味深い。早速試してみるとします」 リンボの魔手が伸びる。 メロウリンクの判断は速かった。 “俺に此奴と継戦できるスペックはない。此奴の攻撃を耐えられるとも思えない” ――即ち。 継戦でも耐久でもなく応戦。 対ATライフルに備え付けられた最大武装。 ATの硬い装甲すら紙のように引き裂く機甲猟兵の牙…パイルバンカー。 それを以ってリンボを撃ち抜き滅殺することを、彼は選んだのだ。 “…マスター。今から賭けに出る。令呪を使って援護を頼みたい” “わ…分かりましたけど。大丈夫なんですよね……勝算、あるんですよね?” “ある。少なくともゼロではない筈だ” 令呪一画を載せた一撃であれば。 慢心しきっているリンボの虚を突き終わらせられる可能性もある。 苦し紛れの希望的観測ではない。 メロウリンクは大真面目に、その勝利へと続くか細い糸口を見据えていた。 “ただそれで無理だった時は即座にもう一画を切ってくれ。 令呪の効力があるとはいえこの身で何処まで無理が効くか分からないが…可能な限りの人員を連れて離脱する” 七草にちか一人だけならば成功率も高いのだろうが。 摩美々や失意の真乃、そしてもう一人の自分を置いて逃げ馬に乗ることを彼女は良しとしない…できないだろう。 賭けに次ぐ賭けにはなる。 それでも元より絶体絶命の断崖絶壁。 無抵抗で殺されるよりは遥かに良い筈だとメロウリンクは信じていた。 “…不甲斐ないサーヴァントですまないな” “謝んないでくださいよ…こんな時に。誰のおかげで私達が今生きてられると思ってるんですか。 もうひとりの私のライダーさんに、摩美々さんとこのアサシンさんも確かに頑張ってくれましたけど。 それでも……その。アーチャーさんだって、いっぱい仕事してたじゃないですか” “……ふ” “なっ! なんで笑うんですかー! 今の真面目な所なんですけどー!?” “いや、すまない。笑うつもりはなかったんだが…ついな” 丁度良かった。 肩が心なしか軽くなった気がする。 良い援護を貰えたとメロウリンクはそう独りごちながら。 瞬時に――機甲猟兵メロウリンクの顔に戻る。 敵はATに非ず。戦車にも歩兵にも非ず。 敵は悪のアルターエゴ。 ATを遥か置き去る破壊力と未知の危険性を多分に含んだ害悪存在。 勝率、コンマ1%の果てしない下方。 しかしゼロではない。 ゼロではないのなら。 “令呪を以って命じます…アレ、ぶっ殺しちゃって! アーチャーさん!” 機甲猟兵は戦える。 弱者の牙、パイルバンカー。 照準――アルターエゴ・リンボへ。 「ふはははははなんと無様! そしてなんと不格好な鼠か! 今、今! このリンボめが貴様の運命を試してくれる!」 リンボの手が印を結ぶ。 そして高らかに叫ばんとした。 「死ねェ――何ッ!?」 そこでメロウリンクは発射した。 パイルバンカーを。 令呪一画で強化されたそれは初速から音に届く。 言葉はない。 勝利への確信など存在しないからだ。 無言のメロウリンクと動揺のリンボ。 パイルバンカーの穂先は反応の追い付かないリンボの顔面に迫り――そして。 爆ぜた。 メロウリンクの牙はアルターエゴ・リンボに届いた。 黒い灰のようになり崩れていくリンボの像。 しかしそれを見た瞬間。 今尚リンボの呪詛との耐久戦に束縛されているアシュレイと彼女のマスターたる七草にちかが同時に叫んだ。 「ダメだ――アーチャー!」 「まだですッ、そいつまだ死んでない!」 彼らがそれに気付けた理由。 それは昨日の夕方に彼らがリンボを一度退けていたことにある。 あの時もアルターエゴ・リンボは灰のように崩れ去った。 しかしどうだ。 リンボは悠々と生きており、跳梁跋扈し続けている。 式神――。 陰陽師の十八番であり、在り方を工夫すれば偽りの生活続命にも通ずる法術。 「 ン ン 」 声はメロウリンク達の背後からした。 空間からまろび出るアルターエゴ・リンボ。 いつ入れ替わった。 その疑問をようやく浮かべられたのはこの段階。 そして目前で起こったことに思考が追い付いたにちかは一画減った顔面の令呪にすぐさま意識を集中させる。 「あ…アーチャーさん! 令呪を以って……!」 だが。 「遅い」 既にその時、リンボは行動を終えていた。 その手から迸る呪わしき魔力。 咄嗟にライフルを向け直そうとするメロウリンクだが間に合わない。 そしてそれは、令呪の行使においてもだ。 にちかが命令を口にし終える前に、問題なくリンボはメロウリンクを抹殺できる。 完全なる詰み。 確定する死。 犯罪卿ウィリアムが増強された肉体性能に飽かして仕込み杖を投擲していたが、それも遅きに失した。 “…何か無いか。手は――” 降り注ぐ死を前に近似値はそれでもと思考する。 最後の一瞬まで考え続けた。 しかし無情。 さしもの彼もこの苦境では活路の一つも見出だせず。 死は堕ちた。 命が散った。 死臭と噎せ返るような呪詛の中で一つの命が壊れる。 …きっと。 「七草にちか」はこの時起こったことを忘れられないだろう。 全ての希望が潰えていた。 そこには何もなくて、ただ絶望だけがあって。 嘲笑う陰陽師の手から放たれた闇が機甲猟兵を貫かんと迫っていた。 令呪行使は間に合わない。 メロウリンクの反撃もやはり間に合わない。 そんな中で、全ての時間が遅滞する錯覚をにちかは覚えた。 …一ヶ月。 それは日常ならば短いが、非日常であればあまりに長い時間だ。 それだけの時間を七草にちかはメロウリンク=アリティと共に過ごしてきた。 朝起きてご飯を食べて他愛ない話をして夜が来て。 たまにはナーバスになって八つ当たりしちゃって、それでもメロウリンクは変わらず自分のサーヴァントで居てくれて。 本戦が始まれば危ない所は助けてくれて。 最初は随分と陰気臭い人を喚んでしまったと思ったものだったけど。 それでもいつの間にか。 メロウリンクはにちかにとって、唯一無二の存在になっていた。 家族を失ったばかりのにちか。 翼のないまま現実を生きることを選んだにちか。 孤独で虚ろな少女(ヴァニティーガール)の隣にふらりと現れたメロウリンクの存在は。 彼女にとってかけがえのない、少なくとも代えは利かない"パートナー"になっていた。 誰だとて人間、孤独なままじゃ生きられない。 肉体的にも社会的にもそうだし。 何より心が耐えられない。 ましてや多感な時期の少女であるなら尚のこと、そう。 別に色恋じゃなくたって。 その手の感情じゃなくたって…誰かを大切に思うということに貴賤はなくて。 もう何もかもが取り返しのつかない時になって初めて七草にちかは気付いた。 あぁ。私は――この寡黙なクセして変な所で可愛げのある猟兵のことが、思いの外好きだったらしいと。 だから。 「…アーチャーさん!」 「――にちかッ!?」 “…うわ” その時。 “何やってんだろ…私” 体が勝手に動いていた。 ◆ ◆ ◆ →
https://w.atwiki.jp/hmiku/pages/49694.html
【検索用 ほくにはかしかかけない 登録タグ VOICEROID ほ 曲 殿堂入り 琴葉茜 相川結月】 + 目次 目次 曲紹介 歌詞 コメント 作詞:相川結月 作曲:相川結月 編曲:相川結月 唄:琴葉茜 曲紹介 曲名:『僕には歌詞が書けない』(ぼくにはかしがかけない) イラスト・動画も氏が手掛けている。 guitar Takahom 2021年1月18日、ニコニコDAILY TOPICS掲載による再生数増加を受け殿堂入りを達成した。 歌詞 (piaproより転載) 僕には歌詞が書けない 語彙が無いってもんじゃ無い 感動とか感心とかよりもっと前の段階 僕には歌詞が書けない もうスピリット足りてない みんななんでそんなイカしてる歌詞を書けるんですか 流行の歌詞とか聞いていると分かる傾向が 問いかけてみるんですか? あるいは生きる苦悩を嘆くんですか? 僕に無いのは 審美眼あるいは倫理観? 違いはあまりにあやふや 僕にだってこんな 聞く人の価値観をねじ曲げるくらいの 喜びとか 優しさとか 嗚呼 もがいたって無駄か 感情の引き出しにこの歌は大きすぎたな 付け焼き刃の思い込みは無残だ 僕には歌詞が書けない 書けたって薄っぺらい 言葉遊びもライムも無けりゃライバルには完敗 僕には歌詞が書けない 背景だってまるで無い 愛とか恋とか夢うつつの文字を並べただけさ 今まで出会った好きな曲から分かる対策が 共感を得るんですね あるいは傷心に寄り添うんですね ひねり出すんだ短期間て言って何時間 悩みはあまりにもやもや 僕にだってこんな 聞く人の人生を狂わせるくらいの 絶望とか 終末の祈り 涙だって涸れた 心が疲れ果ててもう二度と聞きたくないや 雁字搦めのプライドが邪魔だな 僕には歌詞が書けない 手応えなんてものはない これを才能という言葉で済ませるなら教えて 神様 どうして僕は君になれなかった ただただ その事実が 立ちはだかる 嗚呼 そんなのってないよ 持ち得ない? ふざけんな 運命なんて 雑な言葉だ 僕には歌詞が書けない 諦めようか 嫌だ そんなどうしようもない 宿命ならば 僕の今まで紡いだ努力を返して 返してよ ねえ コメント 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/llnj_ss/pages/1953.html
元スレURL あなた「本当にさよならだね」 概要 消えゆく世界にお別れを タグ ^あなた ^上原歩夢 ^短編 ^しんみり 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/hmiku/pages/42760.html
そのえんせいかんにはなたばを【登録タグ YURAGANO そ 初音ミク 曲】 作詞:YURAGANO 作曲:YURAGANO 編曲:YURAGANO 唄:初音ミク 曲紹介 花束のように YURAGANO氏の11作目。 歌詞 (配布txtより転載) 何故か 忘れてしまうんだ いつも声に出してなくちゃって 思う 魔法みたいなフレーズで 祈って 何故か 忘れてしまうんだ 心地よい場所に居るんだって 眠れ 夢みたいなシーンが いつの日か 恋しくなって 君は 近くて遠いんだ 「僕はどこに居るんだろう?」なんて ふわり 浮かぶように僕は 歌った 影の世界はそっと 僕らを撫でるんだ 水溜まりの波紋 今 また刻んでく 僕の空っぽな胸 包んだ これは多分 外の世界の音 花束のように そう憂鬱を払って 雨が降って 流れ、奏、ラララ 簡単なイメージ 創造しよう 笑って メロディーの魔法 唱おう 小説のような そういう曲を作って 風に乗って 笑えそうならば 簡単なイメージ 結論、僕に刺さって 漂っていられるように 何故か 忘れてしまうんだ 心 亡くせはしないんだって 眠れ 夢見心地でいよう それはそれ 傷を癒やして 君は 近くて遠いんだ 「僕はここに居るんだよ」なんて 答え 探すように僕は 歌った 影の世界はそっと 僕らを撫でるんだ 水溜まりの波紋 今 また刻んでく 僕の空っぽな胸 包んだ これは多分 外の世界の音 花束のように そう憂鬱を払って 雨が降って 流れ、奏、ラララ 簡単なイメージ 創造しよう 笑って メロディーの魔法 唱おう 小説のような そういう曲を作って 風に乗って 笑えそうならば 簡単なイメージ 結論、僕に刺さって 漂っていられるように 雨が止んだら 歩き出そう 傘を閉じたら 笑っていいよね? 答えなんてありはしない だけど僕らは望んでる 隙間に見える光でいいよ それが多分 外の世界だから 花束のように そう憂鬱を払って 雨が降って 流れ、奏、ラララ 簡単なイメージ 創造しよう 笑って メロディーの魔法 唱おう 小説のような そういう曲を作って 風に乗って 笑えそうならば 簡単なイメージ 結論、僕に刺さって 漂っていられるように コメント 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/zensize/pages/602.html
【ギンガマン(歌詞)】 【作品名】星獣戦隊ギンガマン 【ジャンル】特撮ソング 【名前】ギンガマン 【属性】銀河を貫く伝説の刃 【大きさ】銀河を貫けるので一万光年以上 【長所】基礎スペックの高さ 【短所】ガンガンギギーンが意味不明 参戦 vol.1
https://w.atwiki.jp/vocalo-gojokai/pages/129.html
■choiX氏の歌詞置き場です 「先輩が同級生」 このお休みが 終わったら あの先輩は 同級生 ちょっと試験を しくじったから 好きだった先輩は 同級生 こんど顔をあわせたら なんて呼ぼうかな センパイ? ○○さん? ○○くんw ああ 待ち遠しい 春 あの 先輩が 同級生 ずっと前から 見ていたの あの先輩が 同級生 ちょっと身体も こわしたから 好きだった先輩は 同級生 同じクラスになれたなら なんて呼ぼうかな センパイ? ○○さん? ○○くんw もう 待ちきれない 春 あの 先輩が 同級生 あなたには 咲き誇る花も 苦々しく 見えたでしょう でも 私は 花の下 あなたと 歩きたい 肩をならべて歩くとき なんて呼ぼうかな センパイ? ○○さん? ○○くんw 手を つなぎたい 春 あの 先輩が 同級生 歌詞中の○○には、適当な名前(想定は3文字)を 入れてやって下さい (_ _)
https://w.atwiki.jp/bakiss/pages/37.html
第九十八話「さよなら!」 ―――そして、共に戦った仲間たちとの別れの時がやってきた。 「当たり前だけど・・・やっぱ、のびちゃんたちは元の世界に帰っちゃうのよね」 亜沙は名残惜しそうに口を開いた。 「うん・・・だけどさ、前みたいには悲しくないよ。だって、ほら」 のび太はCPSを指し示した。 「これがあれば、ほら、これからはいつだって会えるんだから。だからさ・・・」 「ちょっとだけ・・・ちょっとだけさよなら」 プリムラは、小さく微笑む。 「そうだよね?また、会えるもの」 「そうそう。ちょっと寂しいけど、会いたくなったらいつでも会いに行くぞ」 へへー、とフー子が屈託なく笑う。今の彼女はサイバスターに宿る精霊という立場上、サイバスターから遠く離れる ことはできない。というわけで、フー子は稟の元でお世話になることになったのであった。 サイバスターと一緒に。 「―――って、サイバスターは俺が所有することに決定したのか!?あんなとんでもない代物を!?」 土見稟。神にも魔王にも凡人にもなれて巨大ロボットを所有する男。余りにもアレなキャッチフレーズだった。 <いいんだよ、稟。元の持ち主の俺が許可してるんだ。変にどっかに封印するよか、俺やお前、それに神王様や魔王様 の目の届くところに置いといた方がむしろ安心ってもんだ。なあ?> 「ま、そういうわけだ。どっかに隠したところで、妙な奴らに掘り出されて悪用されるかもしれねえからな。それを 考えたらマサキの提案通りにするのが吉ってもんだ」 神王は豪気に言い放った。仮にも伝説の古代兵器というのに、それでいいのか。 「そうそう。あ、置き場所ならこっちで用意するから心配しないでね。なあに、世の中これでどうにかならないことも あるけど、それでも大概何とかなっちゃうものなんだよ。ふふふ・・・」 魔王は指で円マークを作り、にやりと笑った。大人って汚いと、のび太は思った。 「そういやマサキさんはそのままなの?シュウを倒したんだから、成仏とかは?」 <あ、ああ・・・それがよ、その・・・考えてなかったんだ・・・> 「?何を?」 <いや・・・どうやったら成仏できんのか、その方法をな・・・何せ、死んだってシュウを倒してやるって、それしか俺は 考えてなかったからさ。この後どうすんのかってのは・・・> 凄い無計画ぶりだった。稟は呆れつつも笑いながら言ってやった。 「ま、どうすればいいのかなんて、ゆっくり考えればいいだろ。これからも俺と共同生活を続けるのも悪くないさ」 <へへっ・・・そうか。稟、お前っていい奴だな> マサキも朗らかに返す。二人とも、すっかりいいコンビといったところだ。 「ま、とにかく・・・色々あったが見事大団円!こいつはめでたいじゃないか!」 アスランがさっぱりした口調で快哉を叫んだ。 「特にニコル。お前が生き残ってくれて本当によかった。スパロボですら生存ルートのないお前のことだ、最終決戦で ポックリ逝っても不思議じゃなかったからなあ・・・」 「・・・アスラン、いい加減しつこいですよ。それとも何ですか?実はあなた僕のこと嫌いなんですか?」 「心外だな。俺はお前やイザーク、それにディアッカのことは魔導物語はなまる大幼稚園児における戦闘前の掛け合い 漫才システム並に大事に思っているというのに」 「全然大事に思ってないし例えが分かり辛い!?」 「ちなみにキラやリルルのことはバキスレにおけるバレさんの存在並に大事に思っている」 「酷い差別だ!」 「ま、小粋なコントはこのくらいにしといて」 「コント扱いになった!?」 さすがにショックだった。 「貴様というやつは・・・!」 「まあ、いいじゃねえか。面倒なことがとりあえず片付いて、やっと一息付けるんだ。ちょっとくらいは多めに見ようぜ」 ぶち切れそうになるイザークをしっかり抑えるディアッカ。こちらもまたいいコンビと言えよう。 「全くもう、アスランは・・・」 キラは困ったように言いつつも、笑いがこみ上げてくるのを感じていた。最初はアスランの大変貌振りに面食らっていたが、 今ではすっかり慣れてしまった。 むしろ、こっちの方がしっくりくるくらいだとすら思えてきた自分が怖かったりもする。 「ふふ、だけど、みんな楽しそうね」 微笑むリルルの視線の先には、さらに調子をこきすぎて堪忍袋の緒が切れたニコル、イザーク、ディアッカに三人がかりで ボコられているアスランの姿があった。確かに楽しそうだった。 「本当に・・・こうして皆とずっと一緒にいれたらと思うのですが」 ペコは寂しそうだった。そんな彼に、そっと小さな手が差し伸べられた。 プリムラだ。彼女は微笑みながら、ペコに向かって手を差し出していた。 「プリムラさん・・・」 思えば彼女とは色々あった。非常食扱いされたり、ペット扱いされたり・・・よく考えたらロクな目に会ってない気もしたが、 それでも今思えばそれすらも楽しかった。 ペコはふっと笑って、プリムラの手に自分の手を乗せて―――気付いてしまった。 これは―――この体勢は! 「お手、完成」 「・・・・・・」 ああ、何ということか。これまで決して人様に媚びることなどなかったというのに!その象徴たる<お手>など、犬の王 としての誇りに懸けて決して行うものかと心に誓っていたのに! ついに―――ついに、その禁忌を破ってしまった! ぼくは―――負けた。文字通り、負け犬だ・・・。 「はは・・・いいんだ。いいんですとも。ぼくは結局、こういうキャラなんですから・・・」 のび太は見た。爪が肉に食い込むほどに強く握り締められたペコの掌から、真っ赤な血が流れるのを。 「だはは、流石の王様も結局可愛いこちゃんには勝てねえってこったな」 USDマンは茶化すように言ってやった。 「可哀想に、ペコ・・・」 そしてのび太はそっと涙を拭ったのであった・・・。 その時である。 「お、おいおい。なんかみんなもうまとめに入っちゃってるけど、これで本当にお終いにする気なのかい?」 バカ王子が急に慌て始めた。非常に怪しい。 「おや、どうした?ラストバトルで素で作者に存在を忘れられてたバカ王子よ」 「そんな屈辱的な上に説明的なセリフはよせ、アスラン。まあそれはともかく、この結末は僕は納得がいかないんだよ」 「どうして?ちゃんとハッピーエンドじゃない。何が不満なの?」 のび太が聞くと、バカ王子はニヤリと不敵に笑った。実に悪どい雰囲気だった。 「ふふふ・・・こうなったら明かそうか。僕が君たちの仲間になった本当の理由を・・・」 バカ王子はインターネットでバキSSまとめサイトを開き、超機神大戦四十五話の最後辺りの部分を見せた。もう一回 同じ説明をするのが面倒くさかったようである(作者が)。 「な・・・なんてことだ・・・真の敵は味方の中にいたのか!?」 「ちくしょう!今までおれたちを騙してやがったのか!」 ドラえもんは愕然とし、ジャイアンは悔しそうに歯噛みした。 「はーーーーーはっはっはっは!その通り!実は僕こそこのSSにおいて最もタチが悪い男だったのだよ!そんなこと も気付かなかったとは愚かなり、地球人どもめ!わっはっはっはっは!」 バカ王子はとうとう開き直ったかのように高笑いをかます! 「しかしだ―――こんな中途半端に温いエンディングを迎えてしまうのでは、僕が全然楽しくないのだ!そこで・・・ こんな物をジェバンニの如く一晩で造ってしまいました!」 パチィン!と指を鳴らすバカ王子。その瞬間、大地が裂け、その中から数百メートルはあろうかという超々巨大ロボット が姿を現した。 「これぞ超弩級究極絶対最強最大ロボ、イデゲタゼオラガオガイマジンデスティニー大龍虎王!その性能はグランゾン・F の実に数十倍!こいつは凄い!無茶苦茶に凄いぞ!・・・と、いうことで予定変更だ。この無駄に長いSSを更に長くする ために、僕がこれに乗って真のラスボスになろう!」 バカ王子は更にとんでもないことを言い出した。もはや完全に悪党そのものだ。 「さあ、戦え少年たちよ!血も涙もない修羅と化さねば僕を倒す事は叶わないぞ!わぁ~はっはっはっはっ・・・!」 笑い続けるバカ王子。そんな彼の前に、ずかずかと歩み寄る二人がいた。 神王と魔王である。二人とも、紛うことなき殺気を放っていた。 「へっ・・・まさか、こんな近くに神罰を食らわせてやらなきゃならねえ輩がいたとはな・・・」 「全くだね。これはもう、魔界にご招待してあげようかな?」 流石のバカ王子もたらり、と冷や汗を流す。 「―――なんていうのは冗談だよ。OK。話せば分かる、ブラザー」 「分かるかこのドチクショウがぁぁぁぁーーーーーーっ!」 そして二人が完璧な呼吸で世にも美しい軌道を描くアッパーカットをバカ王子に向けて放った! 「「―――神王・魔王合体奥義―――<神魔剛竜拳>!」」 「う・・・うおおおおお!こういうシチュエーションがあったならば一度は言ってみたかったセリフがある!」 吹っ飛ばされながらもバカ王子は己の魂を振り絞り、そしてあまりにも有名なあの言葉を叫んだ――― 「ばいばいきーーーーーーーーーん!!!!」 キラーーーン・・・バカ王子は宇宙(そら)に輝くお星様となった・・・。 その一部始終をのび太たちは、ただ呆然と見守るだけであった。そして、気付いた。 最後に美味しいところをこいつらに全部持ってかれた、と。 そしてクラフトが一同を代表するかのように神王と魔王の前に立ち、握手を求めた。 「グッジョブ!」 ―――彼は本当に満ち足りた笑顔だった。未だかつて、これほどにいい笑顔はなかったとすら思わせるほどに。 三人はがっちりと手を取り合った。巨悪を倒し、その跡に咲いた一輪の花。 漢の歌がそこにはあった・・・。 「・・・なんていうか・・・もう・・・なんだ・・・」 のび太は呆れ果て、逆に清々しい気分ですらあった。 「こんな終わり方も、ぼくららしいと言ったららしいかな・・・」 「同感だ。けどな、のび太。一つ聞きたいことがあるんだ」 「え?」 そう尋ねてきたのはムウだった。彼はいつになく難しい顔をしている。 「君はあの最後の戦いの後で、<狐>と会ったんだろう?結局、奴はどうしたんだ?」 「・・・・・・」 「君は・・・本当に奴を殺したのか?」 「そうしないと、一生あの人に付き合わされるかもしれなかったからさ。それは嫌だった。けど・・・」 のび太は頭を掻きながら言った。 「あの人を殺すのは、もっと嫌な気がしたから・・・結局殺せなかったよ」 ―――そう。のび太は結局、西東を殺さなかった。最後の弾丸は・・・虚空に向けて撃った。 西東には、掠りもしないように撃った。 そして西東は、もはや一言も発さずに、どこかへと去っていった。 「だからさ・・・逃がしちゃった」 そして、苦笑した。まさに、苦々しい笑いというにピッタリだ。 「・・・そうか。奴は、生きて逃げ延びた・・・結果的にはそうなるか」 「ひょっとして、ぼく、まずい事しちゃったかな?」 「そうかもな。奴がこれまでにやったことや、後々のことを考えると、引導を渡しとくべきだったかもしれん・・・けど、 終わっちまったもんは仕方ないさ」 ムウもまた苦笑した。 「タイムパトロールへの報告は上手く誤魔化しとくから、その辺は心配するな。明日からはまたいつも通り、平和に 暮らせるはずさ」 ムウはそう言ってのび太の肩を叩いたが、のび太は曖昧に頷くばかりだった。確かに明日からまた、静かな日常が戻って くることだろう。けれど。 <世界はお前を放っておかない。直に第二・第三の俺が現れる。今回の一件などほんの前哨戦と思えるほどの無数の怪物 たちが、お前の行く手に待っている。幾多の不幸と幾多の不運が、あまねく異形が全ての異能が、お前に牙を剥くだろう。 全ての伏線を消化したなどと思うな。全ての世界を知ったなどと思うな。お前の知ったことなど、ほんの僅かだ> それが真実ならば―――その日常も、呆気なく崩れ去るのかもしれない。新たなる脅威によって。 あるいは、最悪の狐の再来によって。 だけど、それもしょうがない。だって、自分で決めたことだから。 ―――決めたからさ。一生付き合うって。 今回の物語は、ひとまずはこれで終わり。少年たちは、少女たちは、それぞれの世界へと帰っていく――― ―――そんな彼らを、物陰から隠れて見つめる人影があった。 眼鏡をかけた白衣の美女―――<ドクター>絵本園樹。 そしてもう一人。黒く長い髪を風に靡かせる女・・・。 それは、死んだはずのアザミだった。 「あ・・・あの・・・いいの?みんなの前に出なくて。友達なんでしょ?」 絵本がアザミに語りかけたが、彼女は素っ気無く答えた。 「こんな死に損ないのことなど、死んだままにしておいていいのですよ」 「そ・・・そうなんだ・・・あ、あたし、余計なこと言っちゃったよね・・・ご、ごめんなさい。なんであたしはいつも いつもこうなんだろ。黙ってればいいのに勝手に口を挟んで場の空気を乱して邪魔して(略)」 文に直せば数十行は書けそうな勢いで、絵本はぶつぶつと呟き続ける。そんな彼女の姿に、流石にアザミも苦笑した。 「別に余計なことを言われたとは思いません。ただ私が偏屈なだけです・・・それにしても、あなた、一体どういう人 なんです?完全に死んだはずの私を蘇生させるなど、通常の医術の範疇を大きく越えています。いや、そもそも、何故に 私を助けたのです?あなたにそんな義理などないでしょうに」 「・・・だからあたしなんていなくなった方が世のため人のため・・・え?あ、あの・・・ごめんなさい。よく、聞こえなかった から、出来たらもう一度・・・」 「・・・・・・」 「あ!ご、ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなごめんなさい ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい ごめんなさいごめんなさい!あたしったら人の話を聞かないなんて、我ながらどれだけ最低なら気が済むんだろ!本当に 本当に本当に本当にあたしときたら(以下略)」 ―――アザミはやってられない、とばかりに、明後日の方向に向けて歩き出した。目的地、なし。理由も、なし。 何もなしに、ただ、歩いてみよう。そう思った。 そして―――もしも。もしも、縁が<合った>なら。いつかまた、あの賑やかしい連中と会えるだろう。 彼女はもはや振り返ることなく、歩き続ける。不確定な未来に向けて。 ―――そして、一人残されて未だにぶつぶつネガティブな独り言を続ける絵本は。 「・・・おい」 「ひゃっ!?」 背後から乱暴に声をかけられ、驚いて振り向いた。そこにいたのは狐面―――いや、もはや素顔のままの西東だった。 「用事は済んだのか?ならもう行くぞ。時間に余裕がないわけじゃないが、それでも無為に過ごすのは実に愚かしい ことだ。今回の舞台の幕は降りた。さっさと次のステージへと進もうじゃないか」 それだけ言って、さっさと歩き去ろうとする。絵本はぽかんとして動けない。 「ついて来い。置いてくぞ」 そう言われて、ようやく西東の後を追って駆け出した。そして、尋ねてみた。 「あの・・・狐さん?そうは言っても、これからどうするの?」 「<これからどうするの>ふん。とりあえずは、十三階段の再結成だ。それなりに当てはあるから、そいつらに片っ端 から粉をかけてみる。集まってからのことは、集まってから考えるさ」 「そ・・・そうなんだ。でもそれ、ようするに、何も考えてないってことじゃ・・・」 「そうだとも。何も考えてないぞ、俺は」 平然と言い放ち―――彼は、犯しそうに笑った。 「くっくっく―――まあいいさ。何せあいつは俺に、一生付き合ってくれるそうだからな。焦ることはない」 そして、誰にともなく呟いた。 「じゃあな、俺の敵―――俺とお前はどこまでも縁が<合う>ようだし・・・また会おう」 さて、次に、少年と共に戦った仲間たちのその後から―――